異世界で家庭菜園やってみた
村に唯一ある宿。
悠里とアルバートは、そこに逗留していた。
村にはアルバートの親戚があるらしいが、彼はそこではなく、宿に宿泊している。事情があるのだろうと、悠里も深くは聞かないまま、今に至っている。
有り難い事に、その宿には風呂があり、一日の汗を流すことが出来た。
翌日にはウリエルが来るというその日も、悠里は湯浴みをし、さっぱりとして風呂場を出て来た。
風呂場から宿の本館の間は、少し歩かなくてはならない。
その間には灯りがなく、月もない夜は、あまり夜目が効かず、少し怖い。
その夜も、新月だった。
とっぷりと暮れた夜の闇に、時折鳥の声が響き、悠里はびくりと肩を震わせた。
「早く、帰ろう」
そろそろと、慎重に足を進めている時だった。
衣擦れの音がしたような気がして、悠里はそちらに目をやった。
闇の中に浮かび上がる、白銀の光。
目を凝らさなくても、それが誰か、悠里には分かった。
やや掠れた声で、その人の名を呼んだ。
「アシュラムさん……」
悠里とアルバートは、そこに逗留していた。
村にはアルバートの親戚があるらしいが、彼はそこではなく、宿に宿泊している。事情があるのだろうと、悠里も深くは聞かないまま、今に至っている。
有り難い事に、その宿には風呂があり、一日の汗を流すことが出来た。
翌日にはウリエルが来るというその日も、悠里は湯浴みをし、さっぱりとして風呂場を出て来た。
風呂場から宿の本館の間は、少し歩かなくてはならない。
その間には灯りがなく、月もない夜は、あまり夜目が効かず、少し怖い。
その夜も、新月だった。
とっぷりと暮れた夜の闇に、時折鳥の声が響き、悠里はびくりと肩を震わせた。
「早く、帰ろう」
そろそろと、慎重に足を進めている時だった。
衣擦れの音がしたような気がして、悠里はそちらに目をやった。
闇の中に浮かび上がる、白銀の光。
目を凝らさなくても、それが誰か、悠里には分かった。
やや掠れた声で、その人の名を呼んだ。
「アシュラムさん……」