異世界で家庭菜園やってみた
するとアシュラムが静かに祭壇から離れ、脇にある小机から一冊の文献を取り上げた。
「ここに、姫をお返しする方法が記されています」
「……」
悠里はこくりと喉を鳴らした。
ついに来た。
ここで間違えてはいけない。
今までたくさん間違ってきたけれど、ここでは一切の間違いはあってはいけないんだ。
悠里はぐっとおなかに力を入れ、アシュラムを見た。
「わたしは、まだ帰れません」
アシュラムの眼がすっと細められた。
それに怯まないで、悠里は言葉を続ける。
「トーサ村に畑を作り始めたところなんです。やっと土作りが終わって、少ししたら種を植えようと思っています。だから、今帰るわけにはいかない。せめて、野菜がちゃんとできるのを見届けてから帰りたい。そう思っているんです」
「その間、私はまた待たなければならない。あなたがこの神殿を訪れるのを」
先ほどまでの声音とは違う冷たい声。
そして、一歩悠里に近づいた。
思わず、後ずさってしまう悠里。
「私が怖いですか?」
「いいえ」
ふるふるとかぶりを振る悠里に、アシュラムは冷笑を浮かべた。
「怖いのでしょう。人の持ちえぬ力を持つ私が」
「いいえ。怖くありません。だって、アシュラムさんはアシュラムさんだから」
「なら、なぜ私の元から去ってしまったのです」
「それは……あの頃のわたしはアシュラムさんの気持ちを受け止めるだけの余裕がなかったから」
「……」
「アシュラムさんの事を分かりたいのに、でもそれは結局わたしの思い込みで、まったく違う方を見ていたんです。でも、今なら、わたし言えます」
「え?」
悠里はものすごい勢いでアシュラムの元に走り寄った。
そして彼の手を取ると、こう言った。
「一緒に畑やりましょう!」
「ここに、姫をお返しする方法が記されています」
「……」
悠里はこくりと喉を鳴らした。
ついに来た。
ここで間違えてはいけない。
今までたくさん間違ってきたけれど、ここでは一切の間違いはあってはいけないんだ。
悠里はぐっとおなかに力を入れ、アシュラムを見た。
「わたしは、まだ帰れません」
アシュラムの眼がすっと細められた。
それに怯まないで、悠里は言葉を続ける。
「トーサ村に畑を作り始めたところなんです。やっと土作りが終わって、少ししたら種を植えようと思っています。だから、今帰るわけにはいかない。せめて、野菜がちゃんとできるのを見届けてから帰りたい。そう思っているんです」
「その間、私はまた待たなければならない。あなたがこの神殿を訪れるのを」
先ほどまでの声音とは違う冷たい声。
そして、一歩悠里に近づいた。
思わず、後ずさってしまう悠里。
「私が怖いですか?」
「いいえ」
ふるふるとかぶりを振る悠里に、アシュラムは冷笑を浮かべた。
「怖いのでしょう。人の持ちえぬ力を持つ私が」
「いいえ。怖くありません。だって、アシュラムさんはアシュラムさんだから」
「なら、なぜ私の元から去ってしまったのです」
「それは……あの頃のわたしはアシュラムさんの気持ちを受け止めるだけの余裕がなかったから」
「……」
「アシュラムさんの事を分かりたいのに、でもそれは結局わたしの思い込みで、まったく違う方を見ていたんです。でも、今なら、わたし言えます」
「え?」
悠里はものすごい勢いでアシュラムの元に走り寄った。
そして彼の手を取ると、こう言った。
「一緒に畑やりましょう!」