ハート交換
ガシャン



後ろで自転車が倒れる音が聞こえた。




「待ってよ、なみかちゃん待って!!!」



修一が走って追いかけてくる。



私は全力で走ったが修一にすぐ追いつかれてしまった。



修一は、なみかの手を取って思いきり自分の胸に引き寄せる。



「どうして逃げるの?俺の話、最後まで聞いてくれよ。俺は、なみちゃんのことがずっとずっと好きだったんだから!!」



修一の告白になみかの体は固まってしまう。


だって誰が想像できる?


暗くてガサツな私のことを本気で好きになってくれる人がいるなんて。



生まれて初めての告白を前にして、私はどうしたらよいか分からなくなっていた。



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