ほんとうのこと
…ある時古代ギリシャの神がソクラテスに言った

『真に知恵のあるものはソクラテスだ』と


しかし
ソクラテスはそれは違うと思い


多くの知恵のある者に問いてまわった

「知恵のある者とは誰のことか?」


ソクラテスが尋ねた者はみな一様に「自分がそうだ」と答えた


けれど
その後ソクラテスの多くの問いに答えられるものはいなった



「―善悪とは何か?」

「―真の知恵とは何か?」



そして
ソクラテスは自分が《無知》であることに気付いた


《無知》に気付くことで
自分に知恵があると思い込んでいる者には気付けない

《真の知恵》を追い求めることができるのだと気付いたのだった…
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