【BL】生まれ変わって会いましょう。
「怪我はなかった?」
壱さんが心配そうな面持ちで俺を見た。
「怪我はない……けど…… 」
体はピンピンしてるけど、頭がついていっていない。
えっと、つまり……龍さんも壱さんも朱鷺も要樹も、みんな妖怪が見えちゃってるってことだよね?
それって俺と同じ体質ってことに……。
「――同じじゃない。」
俺の頭の中を見透かしたように要樹は言った。
「見えるからってお前と俺達は同じじゃない。一緒にするな。」
何だろう……。
さっきまでとは全然雰囲気が違う。
急に冷たくなって……別人みたいだ。
「そんな言い方はないでしょう?佐紀様だって混乱しているんだから。」
龍さんが優しく肩に手を置いてくれる。
「そーだ。そーだ。」
壱さんは本当に要樹が苦手なようで、俺の背中に隠れたままだ。
「何も知らないコイツに事実を言っただけだ。」
要樹は鋭い眼差しで龍さんを睨む。
やっぱり俺といるときと雰囲気が違う。
要樹と龍さんの間に割って入ったのは朱鷺だった。
「まあまあ、落ち着きなさいな。お二人で喧嘩しとる場合じゃないでしょう?説明、してあげんと我らが姫様がお困りやで?」
なぁ?っと朱鷺が俺へとバトンを渡す。
「う、うん!教えて、もらえるかな?」