【BL】生まれ変わって会いましょう。
俺の言葉に龍さんは頷いた。
「では私から説明いたしましょう。」
――時は今から三百年前、突如妖怪―アヤカシ―と呼ばれる存在が生まれました。
これは佐紀様もご存じの通り、先程の得たいの知れない化け物のことです。
今と違うのは妖怪達の力が強大だったと言うこと。
今は限られた者にしか見えません。
しかし当時は何者でもその姿を見ることが出来た。
見ることが出来る、つまり妖怪達は人々に危害を加えることが出来たのです。
妖怪に物理攻撃は通用しない。
人々は逃げ惑うだけ。
夜は妖怪達の動きが活発になることから、夜の町から人々の姿は消えました。
そんな中、たった一人だけ妖怪を倒すことが出来る者がおりました。
その者は生まれながらに授かった巫女の力を使い、人々を救っていました。
――龍さんは、一旦口を閉ざし俺を見た。
「もうお分かりですね?貴方はその巫女の生まれ変わりなのです。幼い頃より妖怪が見えるのは、巫女の力を宿しているからです。」
「俺が……?まさか……」
「間違いありません。間違うはずがないのです。私たちが貴方の魂を見間違うなど。」
龍さんはにっこりと笑った。
「……い、今の話が本当だとして、じゃあ龍さん達は一体……?」
「私達は――貴方に遣えていた式神でした。」