ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ

消費者金融でミチの代わりに金を借りた 日以来、彼からの連絡はパッタリと来な くなった。

名義は貸すけど、それだけ。返済にあて るお金は必ずミチが用意する。そういう 約束だったのに。

結局、毎月の支払いは私がしている。 ミ チには、返済能力もないだろうし、仕方 ないのかもしれないけど、いままででい ちばんひどい扱いを受けていると思っ た。

親だけにとどまらず、私は、男性にすら 愛されない女なのだろうか。

ただ座って、何もせずお金を稼げるこの バイトをしているのに申し訳なさを感じ てしまうほど、私は、自分の存在価値に ついて、真剣に悩んでしまう。

人間の誕生を神が決めているのだとした ら、私は、神が間違って生産してしまっ た“まがい物”なんだと思う。まあ、普 段、神なんて信じてないけど。


私は、私じゃない、他の女性に生まれた かった。優しくて理解のある両親に恵ま れて、年頃になったら、周りがうらやま しがるくらい素敵な男性と結婚するの。 友達がそれを祝福してくれて~。

なーんて、甘い夢を見るのも、最近じゃ バカバカしくなっている。

『生まれつき不運な人間は一生不運なん だ』と言われてるように感じる、私の人 生。
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