ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ
私は騙されているのかもしれない 。
ミチにとって、私はお金をくれる都合の い い女でしかないのかも……。
性格、外見、共に魅力がない女だもん ね。 お金貸すとこしか、メリットないよ ね…… ?
元々自分に自信のなかった私は、だんだ ん 卑屈になっていった。
彼にお金を貸せば貸すほど、ミチへの言 動 も段々とげとげしくなっていく。
「私のこと好きだったら、お金なんて借 り ないはず!」
「パチンコ屋に行くヒマがあるなら、お 金 返してよ!」
会うたび、そんなことを言っていた。
自分がだんだん、お金のことしか考えな い 嫌な女になっていくみたいで悲しかっ た。
ミチもミチで、そんな私に嫌気がさして き たんだろう。
そのうえ、私がバイトの送り迎えを頼ん だ りしたから、いい加減ウザくなったに 違い ない。
最近のミチは、冷たい。
先日、私はミチに、消費者金融で金を借 り るよう頼まれた。
その時は、そっけない言動ばかり取って い たのがウソのように、彼の口調は優し かっ た。
「あと3千円しかなくて、今月、やって い けない。頼れるのはお前しかいないん だよ」