恋愛学園
「青子さん、佐藤くんありがとうございます」
いつもの王子スマイルで手を叩きながら二人の前に行く腹黒王子。
真っ赤な舌を出したままの青が腹黒王子の方を向く。
桃也は、唇をハンカチで拭いていた。
「杜川くんは、本当に女装がお似合いですね。本物の女性みたいに綺麗ですよ?もう、いっそのこと……っと、危ないですね」
腹黒王子の言葉を遮るかのように女装している綺麗な青が桃也の上から降りて右足を腹黒王子目掛けて振り上げていた。
「……あ、青……!」
慌てたように声を出した桃也。
でも、それはもう遅かった……。
「……う、うおおおおおおおおおおおおっ!!!!」
「……は?」
傍観していた男子生徒がいきなり顔を真っ赤にして発狂し出して青は怪訝そうに顔を歪めて小さく声を発した。
「杜川くん、君は今女装しているんですよ?女の子はスカートを履いていますよね?それで、女装している君が今履いているものはなんですか?」
青は、今この学校の女子制服を着ているからもちろんスカートなわけで男だと分かっていても綺麗な女装した青のパンチラは男たちにとっては美人のパンチラを見てる気分にさせたらしい。
「……キモっ」
眉間に皺を寄せた青は真っ赤な顔をしている男たちを見て言っていた。
「……っわ!?柊花?」
傍観席にいた柊花が気付いたら隣にいて驚いた。
どうしたんだろう??
「……豹は?」
いつも傍にまとわり付いてる豹がいなくて柊花に聞くとある一点を指さした。
そっちのほうを見ると顔を赤く染めて鼻血を出している金髪が見えた。
「え……?青のパンチラに……うわぁ。あっ、青……」
そんな豹のところに青が行っていて笑顔の青は膝を思いっきり上に上げて豹の鳩尾を蹴り上げた。
青い顔をした豹が鳩尾を抑えて踞るのを見て満足した青はさっさと着替える場所に向かった。
青のパンチラにやられた男たちは、脳内メモリーにある青のパンチラを思い出してまだ幸せな気分に浸っていて豹のことは誰も見ていなかった。
「次は、佐藤くんと葉山さんですね」
"葉山"と言われた瞬間に後ろにいる憂の体が揺れた。