恋愛学園
まぁ、青の場合そうなるよね。
別に桃也もそう考えると何も悪くない気がするんだけどさ。
てか、私こんなんで青と出来んのかな?
「……あ、動いた」
「「えっ?」」
柊花の声に私と青の声が重なって憂の方を見るけど憂は一切動いてなくて所定の位置から動いていたのは桃也だった。
長い足で憂の前まで行くのはそんな時間のかかることじゃなくてあっという間に桃也は憂の前に行っていた。
「ハニー、迎えに来たよ」
いつも、憂に向けるあの優しい笑みを受ける桃也。
両手で弁当を持っている憂を両手で持ち上げる桃也。
「……も、も、桃ちゃ……んっ……」
憂の泣きそうな顔に苦笑いの桃也。
けど、自分の手の内に戻ってきたのが嬉しかったのかすごく嬉しそうな顔をする桃也。
「ハニーのお弁当楽しみだな、食べさせてくれるだろ?」
長い脚ですぐに自分の元いた位置に戻って膝の上に憂を座らせて体の正面で憂の体が落ないようにしっかり支えて憂の腰に手を回す桃也。
憂は桃也にされるがまま真っ赤になっていたがそれでも嬉しそうだった。
青といる時の泣きそうな顔と違って。
「……桃ちゃん、……あ、あーん……」
ガタガタ震えていて食べにくそうなそれを桃也の口元まで持っていく憂。
それに苦笑しながら憂の手が口近くまで来たらその手を掴み安定させて口に入れる桃也。
「おいしいよ、憂」
嬉しそうに笑う桃也の顔につられて嬉しそうに花が綻ぶように微笑む憂。
そんな二人を見て会場はすごくのほほんとしていた。