恋愛学園
「おー、桃也と憂!」
ん?桃也と憂って、名前からして二人だよね?とうやとういなんて名前じゃないだろうし。
この金髪デカ男何言ってんだろ?どう見ても一人しかいないし。
「……おはよ、桃也、憂」
うん、青まで何言ってんだろ?
一人しかいないのに……。
「……ほら、憂?隠れてないで出ておいで」
爽やかな男を見ていたら男がいきなり後ろを見て話し出すと男の後ろからちょっこりと小さな女の子が顔を出した。
……いたんだ、二人……。
「あ、君が青のパートナーの子かな?俺は、2年Sクラスで委員長もしてる佐藤 桃也(サトウ トウヤ)。よろしくな。で、この子は俺のパートナー兼恋人の葉山 憂(ハヤマ ウイ)。人見知りが激しい子なんだけど、仲良くしてやってね」
佐藤くんと葉山さんか……。
焦げ茶色の髪で爽やかな感じの髪型の佐藤くんはきっと、人気なんだろうな。優しそうだし。
でも、葉山さんもすごくモテる気がする。身長低くて可愛いし、茶髪のロングをゆるく巻いてるのも女子力高そう。
お似合いのカップルだな……。
「おい、女!俺は、長谷川 豹(ハセガワ ヒョウ)や!豹様って呼べ。で、この超美少女が、俺のマイプリンセスの…………ちょ、柊花自己紹介」
「……原田 柊花(ハラダシュウカ)」
「や!柊花は俺の女やからちょっかい出すなや」
いや、タイミング合ってないし……。
なんで、合わないのに合わせようとしたんだろ……馬鹿なのかな?
「うん、豹は馬鹿だよ」
「……やっぱり……ん?」
誰だ、私の心の呟きをまたしても読んだやつ。
ここに、腹黒王子はいない……そしたら、一人しかいないよね。
青を見るといたずらが成功した子供のような笑みを浮かべていた。
やっぱり、こいつか。
「誰がバカや!」