恋愛学園
私は考えただけで言ってないから。
言ったのは、青なのに……なんで私に近寄ってくるわけ?
「……おい、女!誰が馬鹿や誰が!」
こいつ、うるさ。
しかも近いし。
「……あん……っお、重い……」
「バカは豹のこと。てか、原田からそんな離れていいの?」
豹に"あんたが馬鹿"って言おうとしたら頭に何かがのしかかって来て重かった。
うん、でも……誰が乗ってるかはわかってるよ。
「……うわああっ!柊花、ごめんなっ!寂しかったやろ?大丈夫や、もう離れたりしいひんからな!」
「……何か言った?」
てか、普通に標準語で喋ればいいのに。
しかも、原田さんに相手されてないしね。
「……豹は、置いといて。青のパートナーの名前教えてくれる?」
相変わらず後ろにぺったりとくっついてる葉山さんに合わせてゆっくりと歩いている佐藤くんが聞いてくる。
歩きにくそうだな。でも、2人とも幸せそうだしいいのかな……?
「……だって、芹那ちゃん」
人の頭の上でのんきな声を出す青。
重いから、そろそろ退いて欲しい。
「……城崎 芹那……あ、青重い……」