恋愛学園



これ絶対……教室じゃないって……。
いかがわしい店だよ。


「……芹那ちゃん?席、ここだよ?」



座りたくないよ、私。
なんで、普通に座れるのかな……みんな?



一応、二人座れるぐらいはあるピンク色の少し小さめのソファーとハート型をした机。
絶対、使いにくいでしょ。



「……あ、そっか。ここ座る?」



いつまでも座らない私を見て青は何故か自分の膝の上をポンポンと叩いて首を傾げて私を見上げてくる。



「……座らないから」



なんで、青がそんなことを言ったのかは言うまでもなく周りの影響だろう。
なんだろう、ここはバカップル養成所なんだろうか?



周りの人たちはみんな男子の膝の上に女子が乗っていた。
なんだこれ……普通の椅子用意してよ。
普通に座ろうよ……。



ギリギリひとり座れるぐらい空いている青の隣に腰を下ろすと、どんなに端に寄っても青の腕と私の腕が当たるぐらい近かった。



「……芹那ちゃん?そんなに端に寄ったら狭いよ?」



「うん、ここでいいや。私、狭いの好きだから……」




狭いの好きってなんだろう……。
良くわかんないけど、全部はこの椅子のせいだし。




「そうなんだ、変わってるね」




変わってるやつに変わってるって言われたくないんだけど。
隣でふかふかなソファーに身を預けるように背もたれに寄りかかって座ってる青。



< 41 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop