恋愛学園
「じゃあ、男子の集合場所あっちだから城崎さん、憂お願いね」
そう言うと佐藤くんの後ろにいた憂が私の後ろに戻ってきた。
可愛い……。
てか、佐藤くんがすごく寂しそうな顔してるんだけど……。
「じゃあ、後でね芹那ちゃん」
「憂、あとでね」
「しゅーかーーーーーー!点呼終わったらすぐ行くからなっ!!!!」
「……豹?」
「……す、すんません……」
豹が叫ぶと後ろにいる憂の体がピクっと小さく動いてそのあとすごく近くなる。
憂が怖がる度に佐藤くんが黒い笑みを浮かべて豹を黙らせる。
「……早く、行こ」
「うん。憂、行くよ?」
「うんっ!」
柊花が女子の集合場所の方へ歩き始めたから憂に一声かけてから柊花の後を追おうと足を前に出そうとした瞬間に目の前に足を出される。
「……っ……!」
まんまとその足に引っ掛かって私の体は前のめりになって、視界には地面が広がる。
「……あっ、憂っ!」
私の体が前のめりってことは後ろにいた憂もそうなるわけで助けようにも助けられなくて……。
「……あ、芹那と憂……」
「……う、憂っ!」
「あっ、芹那ちゃん……危ない」
「しゅーかーーーーーー!」
「いや、私なんともないし」
もうダメだと思った瞬間にみんなの声が耳に入って目を閉じて衝撃を覚悟してると…………あれ……?
「……痛く……ない?」
目を開けると地面ではなくて私が着てるのと同じジャージが目に入った。
「……ってててぇ……セーフだったね、芹那ちゃん」
上を見ると少し痛みに顔を顰めた青の顔があった。
「……あ、青……?」