恋愛学園
「……ん?怪我してない?」
「う、うん……」
「良かった」
そう言って笑う青。
「…………っ……」
なんだろう、顔が熱い……。
両手で何故か熱くなった頬を包む。
「……あ、憂なら平気だよ。桃也がちゃんと捕まえたから」
「……ほ、ほんと……?」
青の言葉にそう聞くと青は"ほら"と言って憂と佐藤くんがいる方を指さした。
そこには、佐藤くんに抱きかかえられている憂がいた。
「……よ、良かった……あっ、青は平気……?」
私の下敷きになるようにいる青に聞くと青はやっぱり笑って"大丈夫"と言って、立って私のことも立たせてくれた。
「……擦り傷なんか舐めれば治るよ。ほら、遅刻しちゃうから早く行きな」
そう青が言うと抱きかかえられていた憂が降ろされて私の方に来た。
「……芹那ちゃん、大丈夫……?」
「うん、大丈夫だよ。憂は?」
「ももちゃんが助けてくれたから!」
「そっか。良かった」
憂の笑顔を見て怪我してなくて良かったと思った。
憂と笑ってると女子の集合場所らしい所から笛の音が聞こえて来て柊花と憂と走って集合場所まで行った。
わたしたちが行った後に男子三人が私に足をかけた女子を捕まえていたことなんて知らずに…………。