一度きりの誓いを
滝川さんとわかれてから私は帰宅するべく大通りに出た。
高い高層ビルが立ち並ぶ大都会で私は一人夕暮れの横断歩道を渡る。
今日は滝川さんが来てくれたから良かったものの、本当にナンパには気をつけなきゃ。
誰かの助けがいつもあるわけじゃないのだから。
ヤンチャだった学生時代の私だったらすぐ蹴りをいれていた。
それが今では手も出ないくらい丸くおさまってしまった。
大人になったからには大人らしい行動をとらなくちゃと決めたから。
ふと、先ほどの滝川さんの言葉が脳裏を過ぎる。
「結婚かぁ…」
憧れはあるものの、何だか遠い世界のように思えるのは何故だろうか。
私は半ばボーッとしながら見慣れたカフェの前を通る。