姫様参上!

離れようとしたけれど、背中に手が回り、動けない状態になった。



息が……続かない。




「けん……った……!」


私は健太の胸を叩いた。


そして、やっと健太の目が覚めた。



「ふぅ………」



危なかった。

酸欠になって死ぬところだった……



「あ、まなりん……」



「あのさ、寝相かなんか知らないけどさ、いきなりキスしないでくれる?
しかも、息が出来ないほどやられたら死ぬから。」



「ごめん……俺、寝てなかった。」



「は?」


何言ってんのこいつは。



「まなりんが来た時、ビックリしたから狸寝入りしたんだ。

それで、まなりんがコートをかけてくれようとしたから…………
もう理性吹っ飛んじゃって………」



ーーパシンッ


私は、思うよりも先に手が出てしまった。


「って……」



「ねぇ、これ以上失望させないでって言ったよね?
あと何回言えばわかってくれる?」


「ごめん……まな「もう見たくない。」



「えっ」



「健太の顔なんかもう見たくない!
クビよ!」


「まってまなりん!」



「何を待つの?私はあんたに何を期待すればいいの?
邪魔ばっかりしてきて……あんたに何を求めればいいの?」


こんな事になるのなら……わざわざ追いかけてくるんじゃなかった。



少しでも……心配してしまった私が恥ずかしい。






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