ORANGE SNOW

「そこ、玄関じゃなくて窓なんだけど」

一応言ってみるが、少女は無表情でさくらを見、剣をいきなり向けてきた。
片目を包帯で隠し髪もざく切りな少女は、蓮華ときらとまだ変わらないような年齢に見える。

「なんだなんだ」

と、背後から慌ただしく呆れた表情のリヴィアスと、戸惑った表情の白い少女―スノウが現れ、さくらとこの茶髪の少女を見ると同時、顔を変えた。

「そこ、窓なんだけどな。
お嬢さん?」

怒ってる。
明らかに怒ってる。
リヴィアスのドスがきいた「お嬢さん」にさくらは冷や汗をかいた。
すると少女は、無表情なまま窓だった穴に腰をかけ、口を開いた。

「私は迎えにきた。
そこの白いやつを。
それだけだ」

「―――炎獄」


< 102 / 123 >

この作品をシェア

pagetop