ORANGE SNOW
少女の言葉にスノウは呟くように静かに答えると、手を握り締めた。
「消えなさい。
そして私はもう戻らないと、伝えて頂戴。
炎獄、貴女も目を覚ま…」
一同がスノウの言葉に怪訝そうに首をかしげていると、突然少女が高笑いを始めた。
部屋中に響くその声に、きらと蓮華が身をすくませセルリアに抱きつく。
セルリア自身も息を飲み、二人を抱き締めた。
「目を覚ませ、ねえ?
元から覚めてるつもりだけど?
この炎獄は、この力をくれたあの「機関」を、すごくすごく愛してるんだよ」
炎獄、と呼ばれた少女は愉快そうにそう言うと、剣をスノウに向けた。
それを見てリヴィアスは腰に掲げた細身の剣を抜き、素早くスノウの前に立ち塞がる。
剣なんて魔法よりうまく扱えない、だがこのままだとスノウの危険を感じての判断だった。
「リヴィアス…ッ」
「なんだよあんた。
そこの白いの――霙(みぞれ)を庇うつもり?」
「霙とか庇うとか知らねーけど、目の前で人が拐われそうになってんだ。
誰がそのまま黙って見てると思うんだ」
炎獄の剣に力まかせに自分の剣をぶつけ、炎獄が窓の後ろに倒れかかった時――、
「鋭磨がれた純潔なる水の乙女よ、我が手にその鋭き力を!
―――――ッアクアランス!!」
さくらが素早く詠唱しそう叫ぶと同時再び水の刃が現れ、炎獄を窓の外へと押し出した。
「消えなさい。
そして私はもう戻らないと、伝えて頂戴。
炎獄、貴女も目を覚ま…」
一同がスノウの言葉に怪訝そうに首をかしげていると、突然少女が高笑いを始めた。
部屋中に響くその声に、きらと蓮華が身をすくませセルリアに抱きつく。
セルリア自身も息を飲み、二人を抱き締めた。
「目を覚ませ、ねえ?
元から覚めてるつもりだけど?
この炎獄は、この力をくれたあの「機関」を、すごくすごく愛してるんだよ」
炎獄、と呼ばれた少女は愉快そうにそう言うと、剣をスノウに向けた。
それを見てリヴィアスは腰に掲げた細身の剣を抜き、素早くスノウの前に立ち塞がる。
剣なんて魔法よりうまく扱えない、だがこのままだとスノウの危険を感じての判断だった。
「リヴィアス…ッ」
「なんだよあんた。
そこの白いの――霙(みぞれ)を庇うつもり?」
「霙とか庇うとか知らねーけど、目の前で人が拐われそうになってんだ。
誰がそのまま黙って見てると思うんだ」
炎獄の剣に力まかせに自分の剣をぶつけ、炎獄が窓の後ろに倒れかかった時――、
「鋭磨がれた純潔なる水の乙女よ、我が手にその鋭き力を!
―――――ッアクアランス!!」
さくらが素早く詠唱しそう叫ぶと同時再び水の刃が現れ、炎獄を窓の外へと押し出した。