ORANGE SNOW
「生き残った集落--私達は家、って呼んでるんだけど、そこの生き残りで父を探す事になったわ。
家では仲間の裏切りはタブー。
だから、家を潰したくさんの人を殺し、人間と消えた父にけじめをつけなくてはならなかったの。
だから私は、父を探しにこの町にきた。
私には父は正気に見えなかったし、あんなに優しかった父が復讐、と言い消えた理由も知りたかった」
「そこで、私が襲われてるのを見つけた・・・か?」
あの雪の日を思い出し、唇をぎゅっと結び呟いたリヴィアスに、スノウは頷いた。
「そうよ。
そして貴女を逃がしたあと、私は父に捕まり、魔法具を首にかけられる前にあるところへつれてかれた。
それが機関、「暁」。
父と人間が作った、この力の研究機関。
人間の子供を攫い、力を植え付ける研究をしているところ。
失敗したものは見捨て、成功したものは邪魔なものを消したり、奴隷並に働かされるところよ」
「あか、つき・・・・」
「・・・・その力って、一体なんなの?」
同じように唇をかみ締めたセルリアが問う。
同時蓮華ときらが、ぎゅっと手を握り合った。
「----人が生まれ、息を吸う時に、偶然的に空気中の魔力も吸ってしまう子もいるの。
その魔力が身に浸透して、生まれもった魔力と混じる。
そうして魔法とは違う不思議な力を生み出すの。
名は「オレンジスノウ」と言うわ。
私は神様からの贈り物、だと思ってる」