ORANGE SNOW

「……あの炎獄って子も、実験でそのオレンジスノウとやらを身につけた子なの?」

暫し無言が続いたが、セルリアはきらの手を握り直し、スノウを睨むのをやめて窓の外を見ながら問う。
それにスノウは頷いた。

「恐らく。
炎獄は、殺しを専門とする炎使いよ。
他にも同じような子供が機関にはたくさんいるわ」

「……ッ」

「………私と」

切羽詰まった空気の中、可愛らしいきらの声が震えながら口を開いた。

「私…きらとあんま年変わらないのに、あの子は知らないの…?
みんなで遊ぶ、温かさ」

「きら…?」

「きら、いくよ!」

今まで話を聞いていただけだった蓮華が、きらの手を急に掴み、驚きセルリアが手を離すと同時二人は部屋から出ていった。
さくらが焦ったような顔をし、他の三人も予想できたように慌てたように部屋を出た。

「外へ出るな!
危ないだろ!」


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