ORANGE SNOW

「お?納得したか?」

「別に・・・?」

つれない返事だが、炎獄は心なしか、少し楽しそうな様子だった。
その様子にリヴィアスが再び笑みを漏らすと、炎獄はむっとした顔をし、
くるっと背を向けると、静かにその場からふらふらと、身体を引きずりながら走り去っていった。

「・・・・こんの、ばかああああああああああ!」

「いたっ、痛い!
ちょ、やめて!なんでそんなぐーぱんちこっち向けてんの!
あだっ!!!」

炎獄が去った途端、さくらが手を握りしめ、思いっきりリヴィアスの頭を殴りつけ、それに続いてセルリアもほっぺを殴りつけた。

「さくらはいいが、てめーはゆるさねーぞセルリア・・・・?」

「うっさいわね、勝手な行動したあんたが悪いんでしょうが。
あの子が疲れてたからいいけども、全快だったらどうなってたことやら!」

セルリアはそう皮肉めいた事を言ったが、内心は安心したのか、蓮華ときらを促し家の中へとさっさと入っていった。
それに続いてさくらも安心したようなため息をつくと、蓮華ときら怪我してないかな、と急いで家の中へと入っていった。

「ありがとう、リヴィアス」

残ったスノウは、手を前で組み、リヴィアスに微笑みかけた。
それにリヴィアスは笑みを返し、スノウの元へかけよる。

「いや、別にいいんだけども。
それより話したい事があるんだ」

「なに?」

「うん、まあ。
とりあえず騒ぎは収まったんだし、ご飯でも食べながらにしようか。
ほら、スノウ。おいで」

家の中に入ろうとしたリヴィアスにためらいがちにしてたスノウに、リヴィアスは静かに手を差し出すと、スノウは喜びの笑みを浮かべ、その手を掴んだ。
掴まれた手を見、ようやく再会できた実感がわいてくる。
リヴィアスはふっと笑った。

「改めて。
ようこそ、プリムロウズへ」






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