ORANGE SNOW
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「まあ、大体はさっきので理解したけどお?」
なんとも間抜けな声でテーブルに肘を突いてパンをかじりながらそう言ったセルリアに、さくらは行儀悪い、と言って睨みつける。
それをくすくす、とスノウが笑い、リヴィアスが呆れた声を出すと、むっとしたよう顔をした。
「ええ、まあ。危険な目にあわせてごめんなさい。
改めまして、スノウ・オレンジ、と言います。
ハーフエルフだけど、人間で伝えられている話のように好戦的ではないので、身構えなくて結構よ」
「まあ、それはわかるけど・・・。
大変な目にあってたんだね」
お風呂から帰ってきた蓮華ときらに服を渡しながら、さくらはそう言うと、スノウは再びくすくす、と笑った。
「確かに、大変だったし、これからも大変だと思う」
「どういう事?」
これからも大変、という言葉にリヴィアスが首を傾げる。
「私の目的は、お父様を止める事だから、その目的を続けなきゃいけないし。
今から、暁にいって、お父様に会ってこようと思うわ」
「はあ?」
今から?、とセルリアが呆れた声を出し、さくらとリヴィアスも呆気にとられた。
目覚めたばっかのスノウはまだ本調子じゃないだろうし、先ほど襲われたばかりだ。
3人としても行かせる訳もいかなかった。
「だめだめ。危ないだろ」
「でも・・・、このままじゃ、不幸な子供を産むだけだわ。
話だけでも、してみたいの。
私を置いて、そしてこうまでもして、復讐したい、というお父様の真意が知りたいのよ」
駄目といわれても私はいく、貴方たちに迷惑かけられないし、とスノウは言うと、静かに立ち上がった。
そして白いマントを羽織ると、背を向ける。
「待てよ」