ORANGE SNOW
―――きいーん
音が響くと共に小さく光が迸り、壁に光の穴が現れる。
驚いて二人は口論を止め、スノウを見た。
「コードで開くようになってるのよ。
まだ私のコード、残ってたみたいね」
さあ、入るわよ、とスノウは促し、慎重に穴へと入っていく。
少し躊躇ったが、中からもう一度促されて、二人は中へと入っていった。
中は思っていたとこと、全くと言っていいほど違った。
レンガ造りではなく、周りは全て鉄と機械で囲まれていて、窓は一つもない。
がたんごたん、と何の機械かはわからないが常に動いていて、まるで工場のようだった。
ここが、『暁』。
「こっちよ」
スノウが機械の影へと2人を呼び、そこに隠れる。
すると、何人かの少女が現れ、固まって今入ってきたゲートから外へと出て行った。
いずれもスノウがマントの下に着ている服や、炎獄が着ていた服と同じものを身に着けていた。
「私や炎獄のような、赤いスカートだったら暗殺専門の子供よ、気をつけて。
黒は非戦闘能力、青は暁の護衛を主にしている子供よ」
なるほど、色によって分けているのか。
頷いてみせると、赤いスカートの少女がまたゲートの外へと出て行った。
思っていた通り、幼い少女が多い。
「なんで男はいないのよ」
なんだか不満そうに言ったさくらに、なんでそんな事気にしてんだよ、と突っ込みたくなったが我慢した。
それに、スノウが苦笑して答える。
「ちゃんといるわよ、ここは女子塔なだけ」