ORANGE SNOW

「わけてるのか。
変なとこはしっかりしてるんだな」

リヴィアスがそう言うと、確かに、とさくらが呆れたように笑った。
なんだか緊張感がないけど、いつも通りな感じに、どこか落ち着いていた。

「じゃあ、行きましょう。
父はきっと一番奥にいるわ」

見つからないように慎重にね、とスノウは言うと、白いマントを深く被りなおした。
機械が多いせいでところどころ隠れるところはあるだろうし、見つかっても撒けそうな気がする。

問題は出入り口はスノウしか開けない、という事と、ここが町の地下、という事。
例え撒けても一人では外に逃げる事ができない。
はぐれたら、おわりだ。

「うん、行こう」

スノウの言葉に二人は頷き、ぎゅっと手を握り締めた。

そしてスノウがそれに微笑み、また赤いスカートを揺らしてゲートを出て行った少女達を見届けると、風のように走り出した。

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