ORANGE SNOW

「意味が…ッ」

「…」

その言葉に戸惑う蓮華に、少女はその頭を掴み炎を見せた。
あまりの近さに熱が伝わり、顔を恐怖に歪ませると少女は再びあの無機質な声を向けた。

「モウ、死ンデ」

「―――ッ空高くから荒れ乱せ!
ヘイルストーン!」

死ぬ、と思った瞬間、急に目の前の熱がヒンヤリとした空気に変わり、聞いた事のある声が響く。
はっとし目を凝らすと、目の前に少女は居らず、変わりにいくつもの氷の刃が地面に突き刺さっていた。

―紛れもない、水氷の魔法。

「蓮華えーッ!」

「おねえ…ちゃ…?」

さくらが、ずっと助けを求めていた姉が、蓮華をぎゅっと抱き締めた。
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