ORANGE SNOW
「―っ氷の、シールド!」
「さくらああーッ!」
かきん、と氷同士がぶつかる音がし、二人の前には歪な形をした氷の盾が現れたが、すぐにそれは大きな割れる音と共に崩れさり、さくらと蓮華に降り注いだ。
リヴィアスがはっとし見ると、精霊に渡す魔力を制御出来なくなる為本来縮めてはいけない詠唱を縮めたさくらが、自らの魔力を空気に放出されながらも荒い息遣いをして蓮華に覆い被さり、氷から守っていた。
「おねえ…ちゃ?」
覆い被さったまま動かないさくらに、蓮華は今にも壊れそうに顔を歪ませて、呼び掛ける。
返事がないさくらの代わりに、少女が口を開いた。
「次ハ、オマエ」
「なんで…」
問いかける蓮華に、少女は不気味に笑う。
「生キテチャ、駄目ダカラ」
「なん…でッ。
なんで!
なんでよおおおおお!」