ORANGE SNOW

「この五線は周りを浄化して癒す、癒魔法みたいなものっぽいの」

よくわからないけど見て、と蓮華は時々嗚咽をもらしながらさくらを目で指すと、さくらの背中に刺さっていた氷が消え、傷もまた消え始めていた。

「こんなの、初めてだからよくわからないけど…。
多分この五線でその子が苦しんでるって事は」

「――わかった。」

蓮華の言葉を遮り、リヴィアスは頷くと、少女に近寄った。
少女はリヴィアスを見上げ、静かに呟く。

「リ…ヴィ…アリ…ア」

リヴィアスは寂しそうにその言葉に頷くと、少女の首にかかっている宝石に触れる。

明らかな、大きな魔力を感じた。
それも、敵意を感じるような。

蓮華が言ってる事が本当ならば、これにあの五線が反応したのだろう。
そして少女はこの宝石の魔力に、操られている。
故に、宝石の痛みが自分に伝わり苦しんでいたのだろう。
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