海がみたい


リユの小さな手はいつも冷たくて、


『手を繋ぐのが好き』と言った。


だけど、多分、俺の方が依存してただろう。


小さくて冷たい掌が、俺にくるまれて、ひとつの温度になる。


握れば握り返す。



あの夜、おまえは何を考えた?



「優しい終わりがあるといいね」




そう言った寂しそうな声が、



今も耳から離れない。



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