嘘つきより愛を込めて~side Tachibana~
「…寧々…」
「ねぇしょうちゃん、いっしょあそぼ?」
「まず着替えが先だ。あと部屋も少し片付ける。遊ぶのはそれからでいいか?」
「…はぁい」
しょんぼりしてしまった寧々の頭を、俺は優しく撫でる。
…普通の二歳児なら、間違いなく駄々をこねるところだろう。
おそらく寧々は、普段からエリカに迷惑をかけまいと行動しているに違いない。
そのいじらしい仕草に、今までそばにいてやることのできなかった自分を、激しく後悔した。
(寧々、…本当にごめんな)
こうなってしまった全ての原因は、間違いなく俺にある。
だから一緒にいられる間は、…思いきり甘えさせてやるから。
それから部屋中の掃除と洗濯物を片付けて、寧々の着替えを手伝った。
実家で暮らす三人の甥っ子の世話で慣れているせいか、そんなのはもう手馴れたものだ。
しかも寧々は言うことも聞くし暴れたりもしない分、自分のよく知る悪ガキたちよりも、着替えが断然スムーズに終わる。
散らばったおもちゃも寧々と競争して片付けたら、あっと言う間にキレイになってしまった。
「偉いぞ!寧々っ!!」
寧々を抱き上げて、そのまま上に高く持ち上げる。
「きゃはっ、あははははっ!」
視界が変わって楽しいのか、寧々は大きく口を開けて、声を出しながら笑っていた。