嘘つきより愛を込めて~side Tachibana~
翔太は私の肩に顎を乗せながら、お腹に回した手の力を強めてくる。
女の人の扱いに慣れてるはずの翔太が、まさかにここまで余裕を失くしてしまうなんて。
「今度勝手にいなくなったりしたら、鎖に繋いで俺の部屋に監禁してやるからな」
「……それは嫌」
「じゃあ、もう俺のそばから離れるな」
触れられた部分から、痛いくらいに翔太の想いが伝わって来る。
二年前、私から一方的に別れを告げられて、翔太はどれだけ心に傷を負ってしまったんだろう。
……翔太は自ら望んで忍耐強くなったわけじゃない。
手の届かなくなった私のことを、来る日も来る日も思い続けてくれて。
私に会うためだけに、地道に努力を積み重ねてきてくれた。
忘れるわけがない。
この部屋で翔太が、“どこにも行くな”と擦り切れそうな声で抱きしめてくれたこと。
ひろくんのことを誤解したままにも関わらず、東京まで奪いに来てくれたこと。
翔太が行動を起こしてくれなかったら、私たちはきっと結ばれることなんてなかった。
私がこの暖かい腕の中にいることができるのは……全部翔太のおかげ。
「離れない……だから私のこと、翔太の好きにしていいよ」