嘘つきより愛を込めて~side Tachibana~

「……へ……」

「俺がこういう奴で、嫌になっただろ」


意味がわからなくて恐る恐る顔を見上げると、翔太が恥ずかしそうに左手で口元を覆ってしまう。

もしかして……今更照れてるの?

私に散々甘えて、こっちが恥ずかしくなるくらい、独占欲丸出しの態度を晒しておきながら?


「ふ、ふふ……」

「おい。笑うな!」


翔太の行動がなんだかくすぐったくて、組み敷かれた状態のまま、私は肩を震わせる。

確かにこういう翔太は意外だったけど、自分でも驚くくらいすんなり受け入れることができているから不思議で仕方ない。

嫌になるどころか、私はもっともっと翔太に惹かれている。


「別に、そんなの構わないよ。……だってそういう翔太を見られるのは、私だけなんでしょ?」

「……!」


お腹の辺りを押さえながらそう言った瞬間、翔太の瞳が大きく見開かれていた。


「……んっ」


すると突然翔太の顔が近づいてきて、形のいい唇が一気に押し当てられる。

そのまま貪るような熱い口づけを施されて、身体はあっと言う間に熱を帯びてしまった。

頭を撫で回すようにして、翔太の手のひらが私の髪をかき乱していく。


「……当たり前だ」


やっと与えられた息継ぎの合間にかけられた、吐息混じりの優しい言葉。

その後の余韻を味わう間もなく、私の顔にはキスの雨が降り注いでいた。

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