嘘つきより愛を込めて~side Tachibana~

お互いにほとんど素肌に近い状態で絡り合いながら、私は息も絶え絶えにシーツを握り締める。

翔太はもう、完全に開き直っていた。

あれから何度、恥ずかしさで死ねるようなセリフを聞かされたかさえわからない。

別に聞きたくないのに、私の身体が高められて変化していく様子を、翔太は楽しそうに教えてくれた。

もう降参したくなるほど執拗に責められて、私の目尻に涙が浮かんでくる。

……ダメだって翔太。

だって昨日も、夢中でこの行為を許してしまったんだから。

膝の裏側に手をかけて持ちあげられた私は、とろんとした瞳で、弱々しく首を横に振る。

翔太の体温を内側から直に感じたその瞬間、身体の奥が甘く痺れていた。


「心配ない。子供が出来る前に、籍だけは入れる予定だ」


こんな状態の時にそんな大事なことを言われても、脳が情報を処理できない。

私の上でゆるゆると動く翔太に、こめかみを一筋の涙が伝っていた。


「泣くな。俺はもう、お前を手放すつもりなんてない」

「だ、……て、しばらく……遠距離になるから……」

「今月で引き継ぎを済ませて、東京の店舗に戻ってこい。相沢を店長に昇格させる。お前が抜けても、あいつらなら大丈夫だ」


私が不安に思っていたことに、翔太は気づいていたのだろうか。

願ってもないその申し出に、私は泣いたまま、必死に笑顔を浮かべようとしていた。


「エリカは一人でよくやった。これからは、俺の近くでお前の頑張る姿を見せてくれ」

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