隣に座っていいですか?これはまた小さな別のお話

目覚まし時計を却下され
ちょっとご機嫌斜めな桜ちゃんとハンバーグを作る。

小さな手で作るハンバーグは形も愛しい。

「桜ちゃん。上手だね」

ホメるとご機嫌は直り
笑顔でまた一生懸命作り出す。

可愛いなぁ。

「おわったらチョコとあそんでいい?」

「もういいよ。お手伝いありがとう」

トイプーのチョコも遊んでもらいたくてウズウズしてるだろう。

昼間は紀之さんが遊んであげてるけど
どっちかといえば
紀之さんが遊んでもらってる感じ。

桜ちゃんは手を洗って「チョコ―」って叫んで台所を去る。
そして
入れ替わりで紀之さんがやってきた。

「やっと終わった」

寝不足の赤い目。
徹夜で頑張ってたものね。
ちょいとかすれた声がセクシーです。
桜ちゃんの目を確認してさりげなく頬にキス。
それだけで幸せ感じる私。

「おつかれさま」

「今回は疲れた……あれ、家庭訪問?」

冷蔵庫のプリントを手にして彼が言う。

「そうなの。どうしよう紀之さん。何を聞かれるんだろう、私、桜ちゃんの子供の頃とかよくわかんない。小さな頃はどんなお子さんですか?って言われても何も言えない。ダメなお母さんって思われる。本当の母親じゃないって知られてしまう。どうしよう」

一気に言うと

「またパニック起こしてる」

って笑われてしまった。
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