隣に座っていいですか?これはまた小さな別のお話
「すいません急に」
私はスッと彼の隣から離れ、台所へと向かう。
「嫌な思いをさせた。ごめん」
背中から抱かれそうになり、思わず拒否するつもりが、彼の動きは早く力も強く、私を抱いて離さない。
「離して」
「嫌だ」
「どうして?」
「郁美さんが怒ってるから」
「怒ってない」
「じゃぁなに?」
「悲しくて虚しくて、桜ちゃんに笑顔を見せれない自分が大嫌い」
「それなら余計に離さない」
彼は私の身体を自分に向け
そっと優しく私を抱き直す。
「杏奈は口が悪くて、ごめん」
「紀之さん……ヘビースモーカーだったの?」
「昔ね」
「知らなかった」
「そんな健康に悪い話を教えるつもりもない」
気弱な私の声に反応し
彼の腕に力が入り、しっかり私を抱きしめる。
「桜ちゃんと仲がいいんだね」
「よくアパートに来てたから」
「紀之さんの昔の彼女?」
「ないない。絶対それはない。断言できる」
笑って私に言い
そっと顔を見る。
見上げると
優しい顔が笑ってた。
大好きな人。
「郁美さんも毛皮欲しい?」
「どこに着ていくの?」
「隣の実家に通勤する時。20回ローン組んで買ってあげるよ」
パートに毛皮。20回ローン。
想像して吹き出すと
やっと安心した顔をする。
私はスッと彼の隣から離れ、台所へと向かう。
「嫌な思いをさせた。ごめん」
背中から抱かれそうになり、思わず拒否するつもりが、彼の動きは早く力も強く、私を抱いて離さない。
「離して」
「嫌だ」
「どうして?」
「郁美さんが怒ってるから」
「怒ってない」
「じゃぁなに?」
「悲しくて虚しくて、桜ちゃんに笑顔を見せれない自分が大嫌い」
「それなら余計に離さない」
彼は私の身体を自分に向け
そっと優しく私を抱き直す。
「杏奈は口が悪くて、ごめん」
「紀之さん……ヘビースモーカーだったの?」
「昔ね」
「知らなかった」
「そんな健康に悪い話を教えるつもりもない」
気弱な私の声に反応し
彼の腕に力が入り、しっかり私を抱きしめる。
「桜ちゃんと仲がいいんだね」
「よくアパートに来てたから」
「紀之さんの昔の彼女?」
「ないない。絶対それはない。断言できる」
笑って私に言い
そっと顔を見る。
見上げると
優しい顔が笑ってた。
大好きな人。
「郁美さんも毛皮欲しい?」
「どこに着ていくの?」
「隣の実家に通勤する時。20回ローン組んで買ってあげるよ」
パートに毛皮。20回ローン。
想像して吹き出すと
やっと安心した顔をする。