隣の悪魔はご機嫌ナナメ
えーーー?
ドキリと跳ねた、あたしの胸。
でもそれは、
恋でドキドキするような感情じゃなくて。
今あたしが、黒田くんから目が離せないのは。
「……逢沢先輩?」
黒田くんの顔が近づいて、顔に息がかかって。
それでも身体が動かせないのは。
「どうしたんですか?」
「え、な、なんでもない!!!」
ゾワッと何かがあたしを包んで、あたしは慌てて身体を離した。
ギュッと胸元を握りしめる。
ーーーなに、この気持ち。
今まで黒田くんに感じたことのない気持ち。