齧り付いて、内出血
‘岡部さん’は次々と可愛らしい言葉紡いでいく。
口を開けば不細工なことしか言えない私とは大違い。
――惨め。
気づけば私は地面のなんてことないコンクリートを見つめていた。
「どこか行かれるんですか?」
「そ、昼飯。」
「わあ、いいなあ~。シュウゴさん今度また連れて行ってくださいね!」
頭上を通過する言葉にぴくんと反応してしまった。
‘また’?
隣にいる久世を見上げたら、相変わらず普段と変わらない表情をしていた。
「ああ。」
「やった!――ではそろそろ失礼しますね。お邪魔してしまってすみません。」
「いや。」
ぺこりと会釈をして、ひらりひらりとスカートを揺らしながら去っていく‘岡部さん’を見つめてた。
ぐわんぐわんと、‘また’が何度も再生される。