苦恋症候群
なんと、言えばいいんだろう。

彼女のことは、傷つけたくない。だけど俺は、雪妃のことは家族としか思えない。

それは俺の中で、とても確定的で、不変的なこと。

今までも……これからも、だ。


ギシリと、シングルサイズのベッドが軋む。

雪妃の両手が、俺の顔の両脇につかれた。



「……遥、あたしを抱いて」

「え、」



目を見開く俺の首筋を、するりと冷たい手が撫でる。



「1回だけで、いいの。1回だけ、抱いてくれたら……それを思い出にして、あたしはこの気持ちを、封印できると思うから」

「ゆ、きひ」

「お願い、遥。あたしを、“姉”じゃなくて……っ“女”として、扱ってよ……っ!!」



すぐ目の前に彼女の顔があるから、その長くて艶やかな髪が頬をくすぐった。

言葉を失う俺に対し、雪妃は一度身体を起こしたかと思うと俺のスウェットのすそから手を差し入れて、脇腹のあたりにすべらせる。
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