苦恋症候群
私から1メートルほど離れたところに立ったまま、彼は続けた。
「昨日ジュンさんの店出た後、ふたりでタクシー乗ったんですけど。森下さん完全におやすみモードで住所聞いてもどーにもならなかったので、俺も自分ちで寝たかったしとりあえずここ連れてきました。まあ俺が寝ることになったのはソファーですが」
「そ、それはとんだご迷惑を……」
「その格好は、森下さんが自分でぽいぽいスカートやらカーディガンやら脱いだんです。脱いだものは消臭スプレーしてあっちのリビングの方にハンガーでかけてあります」
「か、重ね重ね申し訳ないです……」
「ちなみに、俺はちゃんと森下さんが完全に寝入る前に『シャワー使いますか?』って訊きましたから。森下さん俺の話聞いちゃいなかったみたいですけど」
「ほ、本当にどうお礼を申し上げたら……」
容赦なく知らされる己の醜態に、もはや三木くんと目も合わせられない。
いい歳して会社の後輩にこれだけ迷惑かけるってどうなの。しかも異性に……!
両頬に手をあて恥ずかしさからわなわな震えていると、三木くんがふっと息を吐いた。
「昨日ジュンさんの店出た後、ふたりでタクシー乗ったんですけど。森下さん完全におやすみモードで住所聞いてもどーにもならなかったので、俺も自分ちで寝たかったしとりあえずここ連れてきました。まあ俺が寝ることになったのはソファーですが」
「そ、それはとんだご迷惑を……」
「その格好は、森下さんが自分でぽいぽいスカートやらカーディガンやら脱いだんです。脱いだものは消臭スプレーしてあっちのリビングの方にハンガーでかけてあります」
「か、重ね重ね申し訳ないです……」
「ちなみに、俺はちゃんと森下さんが完全に寝入る前に『シャワー使いますか?』って訊きましたから。森下さん俺の話聞いちゃいなかったみたいですけど」
「ほ、本当にどうお礼を申し上げたら……」
容赦なく知らされる己の醜態に、もはや三木くんと目も合わせられない。
いい歳して会社の後輩にこれだけ迷惑かけるってどうなの。しかも異性に……!
両頬に手をあて恥ずかしさからわなわな震えていると、三木くんがふっと息を吐いた。