氷の卵
それからまた、気まずい日々が続いた。

一緒に紅茶を飲んだりなんてもうできない。


私がいけないんだ。

どんな啓でも受け止められると思っていたのに。
思っていたよりずっと、私は器が小さくて。


すぐにあふれてしまう。


言葉にできない悔しさが。
やるせなさが。
悲しみが。
怒りが。
切なさが。


そして、何より、啓への心からの愛しさが。


その悲しそうな瞳を見れば、啓を笑顔にしたいと本気で思うけれど。

でも、でも……。
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