幼なじみと秘密の時間
「和弥、スキだよ。大好き」


「え?…………マ・ジ・で……??」


和弥は、目を見開いて驚いている。


「キスされた時も、その後もずっと
何も言えなかったけど…。
好きじゃなかったら、こんな生活何年もしてない。

でも和弥、何も言ってくれないし…
だから私も言えなくて。


祐希に告られた時も、付き合えば?みたいに
言ってくるし。
私のこと、好きな訳じゃないんだって
ショックだった。


でも私、和弥に会えなくて
和弥のいない生活は考えられないって
分かったの。

だって、本当に苦しくて…辛くて…
心が壊れちゃいそうだっ…」


私が言い終える前に、和弥に勢いよく
抱き締められた。
ハンパない力に、胸が締め付けられる。
でもそれが、心地よく感じられた。


久しぶりの、和弥の腕の中。
穴が開いていた心が、暖まるのがわかる。


和弥は抱き締めたまま、私の耳元で囁いた。



「オレも、お前に隠してたことがある」


「え?…何…??」


「蘭に先越されて、情けねぇーけど。
オレの初恋はお前だから。
で、その初恋の女のことを、何年も思い続けて
る」


「え?ウソ?いつから?
だって、和弥。キスも練習だとか
あれこれ言ってたじゃん!?」


「スキとか言える訳ねぇーだろ。

オレが好きになった時、まだお前は
オレのこと、好きって思ってなかったから」


「え?いつ?」


「まだカギの頃。

だから、蘭がオレのこと好きになるように
キスしたり、まー色々。
そーすれば、意識するかな?って。

でも、祐希と付き合うしさ。
まーそれは、オレが悪かったのは分かってる」


「もう…和弥のバカ。
もっと早く言ってよ。

祐希と付き合う前に、言って欲しかった」


「ごめん。蘭がオレのこと好きになったら、
言おうと思ってた。

祐希と付き合いだして、後悔した」


「お互い様だし、もういいよ」



昔の私に伝えたいな。
勇気出して、聞いて見なよって。




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