私立聖星魔法学園
「二人共。覚悟はできましたか?」




聖夜は静かに言う




あたしたちは静かに頷いた




「わかりました。それでは恵さん、大助くん。二人を聖星魔法学園に案内します。けれど、その前に準備が必要ですよね」






そういうと聖夜は図書室の奥にある一つの本を手にすると





「センティア」





その言葉に反応するように本が淡く輝きだした




「な、なんだぁ!?」





大助が驚きの声を上げる




「転送魔法ですよ。自転車で家に戻るよりこちらのほうが早く行けますから」




「魔法?そういえば魔法と魔術の違いってなに?」




「魔法も魔術も同じようなものだと思います。普通の人には実現不可能なことを起こすんですから。僕も詳しい違いはわからないので確証はありませんが」





申し訳なさそうに説明する聖夜をよそに一人、大助は横で大興奮していた





「おい!魔道師ってのはみんなこんなことができんのか!?スッゲーんだな!!」





「まぁ大体の魔道師であればできますが・・・。これは学校で習いますし」





「なあ!他には!?他にはなんか無いのか!!?」




苦笑いを浮かべる聖夜に対し、大助は小さな子供のようにはしゃぎまくっている





(高校生にもなってはしゃぎすぎだっつーの・・・)





心の中でそう思いながらも話題を戻す





「準備ってなにすればいい訳?」





「そうですね・・・。着替える服や日用品、自分の大切なものとかですかね。向こうに行ってから詳しく説明しますが、学園の生徒は全員寮生活になりますから」





「寮なんだ・・・・・・あっ!!」






一つ重要なことを忘れていた






「どうしました?」






「えっとー・・・・お金はー・・・・・・・」





学校に通って寮生活となると、学費やら生活費やらなんだかんだでかなりのお金がかかる





現役高校生のあたしにはとてもじゃないが払えない





「あ、それはご心配なく。そのことも向こうに行ってからお答えします。とにかく今は行く準備をしてください」




そして今だ淡く輝き続けている本をあたしと大助の前に差し出す





「この本に触れて自分の家を頭に思い描いてください。まずは大助君から。恵さんも触っててください」



言われるがままに本の上に手を置く




「大助君はそのまま自分の家を思い描いてください。場所は・・・そうですね。玄関でお願いします」




聖夜に言われ、大助が目を閉じた瞬間








目の前の景色がぐにゃりと曲がった
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