~D*A doll~




いくら冷房が効いていると言っても暑い外から帰って来た為何もする気が起きなくて、ただ黙々とアイスを食べる。



あぁ冷たくて美味しい。



「……一口」



いつもと違って皆大人しい。分かるよ無駄に動きたくないもの。



コンビニに行く前はこの空間が嫌でコンビニに出て行ったけれど、出たら出たらで暑くてうんざりした。



暫くはこんな空間でダラダラ過ごしたい。




そんなことを思いながらも小さく口を開けている龍翔の口に、アイスを入れた。




……ドラマ見たいなぁ。映画でもいい。とにかく引きこもりたい。





完全にそんなことを思いながらも龍翔にあたしは意識を向けていなかった。




だから手首を掴まれてもぺしっと鬱陶しいなと手を払い、払ってから自分が今何をしたか気づいた。



……あ。



龍翔に視線を恐る恐る向けると、やっぱり不機嫌になっていた。




「……あはは、ごめん」




笑って誤魔化してみるけれど誤魔化される気はないようだ。





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