~D*A doll~
眉を顰めている美形にどうしよう、と口に運び損ねたアイスが溶けて手首を伝ったのを感覚で感じた。
そしてそこに龍翔の視線が向けられたことに気づいてあ、と思ったのも束の間。
先ほどと同じように手を掴まれ、龍翔の口元に手首が引き寄せられる。
そして下から上にかけて、舌で掬い上げられた。
ざらざらとした生暖かい感触に思わず身を引く。けれども龍翔が手を離してくれるわけはなく、更に強く力を籠められてしまった。
「ゃ、ちょっとっ」
腕に舌を這わせたままチラリとあたしに向けられた視線に、思わずゾクリと背筋が震えた。
腕を舐める行為は一度では済まず、下から上へ、下から上へと一方通行に何度も舌が線を付けていく。
その行為は愛撫されているのかと思うほど執拗で、嫌に堪能的。
「……ちょっとぉ部屋行ってよぉ」
その行為に思わずゾクリと欲情していたあたしは、瑞樹のこの言葉にハッと我に返った。
……危ない危ない。周りに人いるじゃん。
今度こそ抵抗するとすんなりと手を離してもらうことが出来た。
……油断できないなこの男は。