KINGDOM―ハートのクイーンの憂鬱―



「ハハハ……。残念ながら、頭に『ホスト』は付かない方のクラブだ」

「え?じゃあ、学校とかでやるあの?」

「……いや、『クラブ活動』のクラブでもないから」



さすがに、学校でやっているような手芸クラブとか、料理クラブとかそういうのはないだろうなとは思ってたけどね。

でも、頭にそれしか思いつかなかったんだから、何もそんな呆れ果てたような顔しなくてもいいじゃない。




「百聞は一見に如かず。行けばどういう所かわかるよ」

そう言って、春斗さんは、財布を取り出し、その中から1枚のカードを取り出した。

「藍花ちゃんも出して?」



私に見えるようにヒラヒラと親指と人差し指の間で揺らされるそれは、見覚えがある。

いや、正確には同じ物ではないんだけど、良く似たものを見た事があるんだ。




「それって……」

彼の手の中のそれを確かめるようにジッと見つめる。

全面金色のそこに描かれているのは、トランプのハートのキングのカード。


慌てて、仕舞ってあった彼から押し付けられたカードを取り出す。

やっぱり、色とトランプの絵柄は違うけど、同種類のカードだ。



このカードって一体?


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