Voulez vous du chocolat?
「しっかし、本当にラッピングすらできないとはなー」
「なっ……無礼ね!」
「……鹿野ちゃんが言ったんじゃん」
ラッピングも手伝ってもらい、いよいよ完成。
今まで何日も努力してきた分が、報われた気がした。
「……さて、じゃあ鹿野ちゃんの勝負はこれからなんでしょ?
今度こそ俺帰るわ。その結果聞くなんて野暮だし?」
はは、と笑いながら、鞄を肩にかける神無月君。
「……そうね。本当ありがとう」
「ん、気にすんな。頑張れー」
本当に興味ない風に、笑って調理室のドアを開けた。
……そうよ、勝負はこれから。
「好きです」