Voulez vous du chocolat?
その一言に、顔が熱くなる。
「それに、バレンタインにチョコレートとか作っちゃう性質だったんだ。
意外ー。思ったより乙女なんだね」
……さらに赤くなったのは言うまでもない。
「……何よ! からかう為に来たんなら、出てってくれない?
そもそも神無月君、補習じゃないの?」
「ん? あぁ俺、補習は英語と古文だけだったから。
もう帰れるんだ」
……え!?
「そう……なの?」
「うん、ラッキーでしょ」
そんな……まだ時間があると思ってたのに。
もう帰っちゃうなんて……!
渡せるチョコレートなんてないわよ……!