キミが、好きです ~茜色の空の下~
「へッ…あたし!?」
こころは鞄を漁り始めた。
そして見つけた頃には、音は止まっていた。
「あ、ママから電話だー。ちょっと、電話してくる」
そう言って、こころは廊下に行った。
俺は、このタイミングがチャンスだと思った。
「あのな、拓、一ノ瀬。
いつか……話さなきゃいけねぇことがあるんだ」
「……そっか。分かった」
「うん」
2人には、俺の真剣さが伝わったのか
いつもみたいに質問攻めにはしてこなかった。
「あたし、帰らなきゃ…!」
少し経つと、こころの焦った声が聞こえた。
「ココ、そんなに急いじゃってさー。どーしたの?」
「ゆめが熱でちゃったみたいで、ママの代わりに……あたしが迎えに行かなきゃで」
そんなに焦って……。
なんだかんだ言ってっけど、
ゆめちゃんのこと、大切なんだなー……。