ナナイロのキセキ
そして、時刻は昼の12時過ぎ。

OLさんやサラリーマンが、フラフラと店にやってくる。

これらのお客さんの大半は、短い肩もみ10分コース。

これだけでも、午後の身体が違うらしい。

「牧野さーん!ご指名ー!」

「あ、はい!」

店長に呼ばれてマッサージチェアのゾーンに行くと、

今、最も会いたくない人が座っていた。


(・・・げっ!関口さん!!)


「こんにちは。」

私のひきつった表情とは裏腹に、関口さんはキメ顔であいさつしてきた。

「い、いらっしゃいませ・・・。」

なんとか私も言葉をしぼり出す。


(昨日の今日で、なんで来るのー!!)


「牧野さん連絡くれないから、会いに来ちゃった。」


(はっ?)


「・・・連絡できないって、言いましたけど・・・。」

「うーん。でもほら、照れてるのかなとか、

紙なくしちゃったのかなとか思って。」

「・・・。」


(すごいポジティブ・・・。)


「えっと・・・。今日はどうしますか。」

「あ、いますごいスルーしたね。・・・うーん、まあいいや。

あんまり時間ないから、10分でいいよ。」

「かしこまりました。」

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