ナナイロのキセキ
今の言葉で、私の恥ずかしさは倍増される。

声が聞こえた耳元だけ、やけに敏感に、特別な場所であるように、じわっと熱くなっていく。


(さらっと言ったけど・・・結構、甘い言葉です・・・。)


ドキドキと、胸の鼓動も加速した。

「まあ、終わったことは仕方ないな。」

私がドキドキしていることなんて、全く伝わっていないように、話をまとめる亮一さん。


(確かにそうだけど・・・。そんなにさらっと切り替えられない・・・。)


でも、これ以上この話をし続けるのも、恥ずかしさに拍車をかけるだけかもしれない。

亮一さんはそう思ったのかな、などと考えていると、再び彼は口を開いた。

「でも、電話くれてちょうどよかった。オレも、ナナに連絡しようと思ってたんだ。」

話を切り替えた亮一さんの声は明るい。

「そうなんですか?」

「うん。来週で、いまの仕事が少し落ち着きそうなんだ。」

「わ。よかったですね!」

「多分土日も確実に休めるようになると思う。」

「そうですか。そうしたら少しゆっくりできますね。」

「うん。・・・それで、もし、ナナも二連休取れたら・・・。

旅行にでも、行かないかなと思って。」

ちょっとだけ言いにくそうに、言葉を選ぶように言う亮一さん。







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